2026-07-23

出張の日当はいくらが相場?非課税になる金額の目安と役職別の決め方

結論:日当の相場に法律上の定めはなく「社会通念上妥当な金額」が基準

出張の日当は、いくらまでなら非課税になるという明確な金額の上限が法律で決まっているわけではありません。所得税法上は「通常必要と認められる範囲」であれば非課税とされており、実務では役職や出張の内容に応じて社会通念上妥当な金額を旅費規程で定める、という運用が一般的です。

この記事では、中小企業でよく採用されている日当の相場感と、非課税として認められるための条件、そして自社の日当を決める手順を整理します。

出張日当とは何か

出張日当とは、出張中の食費や諸雑費など、実費精算が難しい細かな支出をまかなうために支給される手当のことです。交通費や宿泊費とは別に、1日あたり・1泊あたりの定額で支給されるのが一般的です。

旅費規程を整備し、出張の事実を出張報告書として残せば、日当は給与ではなく「旅費」として非課税で経費にできます。ここが、中小企業に残された数少ない節税策のひとつと言われる理由です。

出張日当の相場はいくら?役職別の目安

日当の金額に法的な上限はありませんが、実務上は役職に応じて段階的に金額を設定する会社が多く見られます。以下はあくまで一般的な目安であり、業種や出張頻度によって調整されるべき数値です。

国内出張の日当目安

  • 一般社員:1日あたり2,000円〜3,000円程度
  • 管理職:1日あたり3,000円〜4,000円程度
  • 役員・社長:1日あたり4,000円〜6,000円程度

宿泊を伴う出張では、上記に加えて宿泊日当(1泊あたり数百円〜1,000円程度)を別途設定するケースもあります。

海外出張の日当目安

海外出張は物価や為替の影響を受けるため、国内よりやや高めに設定されることが一般的です。役職による差を維持しつつ、渡航先の地域区分によって金額を分けている企業も見られます。

役職別の出張日当の相場を比較するイメージ図

相場より高すぎる金額に注意

日当が実費弁償の範囲を大きく超えて高額になると、税務調査で給与とみなされ、課税対象になる可能性があります。同業種・同規模の会社と比べて著しく高い金額は避け、無理のない範囲で設定することが大切です。

日当が非課税になる条件

日当を非課税で経費にするためには、金額の妥当性に加えて、いくつかの条件を満たす必要があります。

条件1:旅費規程を整備している

日当の金額や支給対象、出張の定義などを旅費規程として文書化しておくことが前提になります。規程がない状態での支給は、税務上の説明がしづらくなります。

条件2:出張報告書を作成・保存している

出張の目的・行先・期間などを記録した出張報告書を作成し、保存しておくことが求められます。口頭やメモ程度の記録では、証拠として不十分になりがちです。

条件3:社会通念上相当な金額である

前述の通り、役職や出張内容に照らして妥当な金額であることも重要な要素です。同業他社の水準や、実際にかかる食費・雑費とのバランスを踏まえて設定します。

日当の決め方・手順

自社で日当を導入する場合、以下の手順で進めると迷いにくくなります。

  1. 出張の定義を決める — 何キロ以上、何時間以上の移動を出張とするかを明確にします。
  2. 役職別の金額を設定する — 一般社員・管理職・役員などの区分ごとに、1日あたり・1泊あたりの金額を決めます。
  3. 旅費規程として文書化する — 条文の形で規程を作成し、社内で共有できる状態にします。
  4. 出張のたびに報告書を残す — 行先・目的・期間を記録し、精算とセットで保存します。

手順自体はシンプルですが、規程の条文作成や報告書の体裁を毎回整える作業は、経理担当がいない小規模企業ほど負担になりやすい部分です。

旅費規程と出張報告書をPDFで作成するイメージ図

日当運用でよくある失敗

  • 旅費規程を作らないまま日当だけ支給してしまう
  • 出張報告書が後回しになり、提出されないまま放置される
  • 役職別の金額があいまいで、都度金額が変わってしまう
  • 報告書やPDFの保存場所がバラバラで、あとから確認できない

これらは制度そのものの問題というより、「作る」「残す」「管理する」の手間が積み重なって続かなくなるケースがほとんどです。

まとめ

出張日当の相場に法的な上限はなく、役職に応じた社会通念上妥当な金額を旅費規程で定めることが基本です。非課税で経費にするには、金額の妥当性に加えて、旅費規程の整備と出張報告書の作成・保存が欠かせません。

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