子供の頃だれもが煩わしいと思っていたのに――今は、その言葉を残したいと思う
「またその話?」と思っていました
子供の頃、誰にでも覚えがあるのではないでしょうか。
祖父の長い昔話。母の「早く寝なさい」。祖母が毎回同じ場所で繰り返す小言。
その瞬間は、正直うるさいと思っていました。何度も同じことを言われて、聞き流していたことも、ちゃんと覚えています。
でも、大人になった今、ふとした瞬間にその言葉がよみがえることがあります。
仕事で壁にぶつかったとき。自分の子供に同じようなことを言っている自分に気づいたとき。ああ、あの人はこういう意味で言っていたんだ、と。

大人にならないと、分からないことがある
子供の頃には煩わしいとしか思えなかった言葉が、時間を置いてようやく意味を持って届く。そういうことが、本当に多いように思います。
そしてその気づきには、たいてい後悔が伴います。
もっと聞いておけばよかった。あの時、うるさいと思わずにちゃんと聞いていればよかった。もう一度、あの声で言ってもらいたい。
そう思っても、話してくれた人が隣にいないことも、少なくありません。
思い出は、薄れていくものだと思われがちです。けれど本当は、思い出が薄れるのではなく、話す機会そのものが失われていくのだと、私たちは考えています。
写真には、姿が残ります。けれど、人柄や口ぐせ、あの独特の間や空気までは、写真には写りません。
その後悔を、次の世代への贈り物に
もし今、あの人の言葉や癖、笑い方をまだ覚えているなら。
それを、自分の中だけにしまっておくのではなく、言葉にして残しておく。そんな選択肢があります。
自分の子供たちへ。甥っ子や姪っ子へ。まだ会ったことのない、これから生まれてくる家族へ。
「あなたのおじいちゃんは、こんな人だったんだよ」と、いつか手渡せるように。
おもいで文庫は、そのための聞き手です。

創作はしません。聞いて、書き役になるだけです
ここで、はっきりお伝えしておきたいことがあります。
おもいで文庫は、会ったこともない誰かの物語を勝手に創作することはしません。
主人公は、大切なあの人。著者は、あなたです。おもいで文庫は、あくまで聞き手であり、書き役という立場です。
あなたが語る言葉を、そのまま形にする。それが約束です。
そして、できあがったものは必ず人の目を通してからお届けします。この点も、変わらない約束として大切にしています。
みんなで綴るということ
お葬式は、その人の話がいちばん多く語られる日だと言われます。多くの場合、それが最後にまとめて語られる日でもあります。
廊下で交わされた思い出話。お斎の席でふと出た昔のエピソード。それらは、その日のうちに、静かに消えていきます。
おもいで文庫は、そうして語られた言葉のすべてを受け止める一冊でありたいと考えています。ひとりの記憶だけでなく、家族みんなで綴っていく一冊です。
縦書きの、その家の文庫に
出来上がったものは、縦書きの文庫という形でお届けします。
渡せるもの、残せるもの、そしてその家に置いておける蔵書として。何年経っても、棚から取り出して読み返せるように。

「うん、これはあの人だ」と言えるかどうか
私たちがいちばん大切にしている基準は、ひとつだけです。
出来上がった一冊を読んだ家族が、「うん、これはあの人だ」と言えるかどうか。
感動的な文章にすることでも、美しい物語に仕上げることでもありません。その人らしさが、そのまま残っているかどうか。それだけを大切にしています。
その人の話を、聞かせてください
あの日、煩わしいと思っていた言葉。今はもう、もう一度聞きたいと思う言葉。
その記憶が、まだあなたの中にあるうちに。
おもいで文庫は、その聞き手になりたいと考えています。
その人の話を、聞かせてください。
AIが創作するのではなく、聞き手として大切な人の物語を家族とともに綴り、一冊の文庫として残すサービス